リハビリテーション室のご案内
当院のリハビリテーション室は2019年4月よりオープンしました。
心臓病をはじめとする循環器疾患に対する「心臓リハビリテーション」を実施しています。
心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)
外来リハビリテーション:
月~金曜日 ※土日・祝日はお休み
入院リハビリテーション:
月~土曜日 ※日・祝日はお休み
※リハビリテーション実施には医師の指示が必要です。診察時にご相談下さい。
心臓リハビリテーションとは?
心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)とは、心臓病の患者さんが、体力を回復し自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することをめざしておこなう総合的活動プログラムのことです。内容として、運動療法と学習活動・生活指導・相談(カウンセリング)などを含みます。
詳細はこちら ➢日本心臓リハビリテーション学会HP
心臓リハビリテーションの対象疾患
心臓病の方はどなたでも運動療法が受けられる訳ではありません。当院で行っている心臓リハビリテーションの対象となる方は以下の通りです。また、リハビリを実施するには医師の指示が必要ですので、詳細につきましては、診察時にご相談下さい。
《心臓リハビリの対象疾患》
〇狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患
〇開心術後(弁膜症手術や冠動脈バイパス術)
〇大動脈疾患 (大動脈解離、大動脈瘤の術後)
〇慢性心不全
〇末梢動脈閉塞性疾患(安静時や歩行時に痛みが出現する場合)
〇経カテーテル大動脈弁置換術後(大動脈弁狭窄症に対するカテーテル手術後)
心臓リハビリテーションの効果は?
心臓リハビリテーションの効果はこれまでの研究によって多岐にわたり証明されています。具体的には、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)の患者さんが心臓リハビリを行うことにより、行わなかった場合に比べて、心血管病による死亡率が26%低下し、入院のリスクが18%低下します。また心不全の患者さんが心臓リハビリを行うことにより、行わない場合に比べてあらゆる入院が25%減少し、心不全による入院が39%減少することが証明されています。さらに心臓リハビリに参加することにより、生活の質(Quality of life)が改善し、毎日をより快適に過ごすことができるようになります。その他、心臓リハビリテーションには以下のような効果があります。
《心臓リハビリテーションの効果》
〇運動能力・体力の向上により、日常生活で心不全の症状(息切れなど)が軽くなる
〇筋肉量が増えて楽に動けるようになり、心臓への負担が減る
〇心臓の機能が良くなる
〇血管が広がりやすくなり、身体の血液循環がよくなる
〇動脈硬化が進みにくくなり、既にできている動脈硬化性プラーク(血管の壁の盛り上がり)が小さくなる
〇血管が広がって高血圧が改善する
〇インスリンの効きが良くなって血糖値が改善する
〇自律神経が安定して不整脈の予防になる
〇運動を行うと仕事や家庭生活、社会生活の満足度が高くなる
外来リハビリテーションの流れ
リハビリテーション室の様子
リハビリ室のスタッフ(2025年3月現在)
主な取得資格:
心臓リハビリテーション指導士(日本心臓リハビリテーション学会)
心不全療養指導士(日本循環器学会認定)
循環器病予防療養指導士(日本循環器病予防学会)
循環認定理学療法士(日本理学療法士協会)
介護予防認定理学療法士(日本理学療法士協会)
ICLS(日本救急医学会)
※各資格に関するお問い合わせはreha.thc@oukai.or.jpまで
リハビリテーション科の院外活動(2025年3月現在)
《学会発表実績》
〇第16回埼玉心臓血管リハビリテーション研究会
「当院外来心臓リハビリテーションにおける現状と課題」
〇第27回日本心臓リハビリテーション学会
「心血管疾患患者の転倒リスク評価に指輪っかテストは有用か?」
〇第40回関東甲信越ブロック理学療法学会
「拡張相肥大型心筋症に対する運動療法によりV(dot)E vs.V(dot)CO2 slopeの改善が見られた症例」
〇第42回関東甲信越ブロック理学療法学会
「当院外来心臓リハビリテーションにおける慢性心不全とフレイルの有無との関連について」
〇第88回日本循環器学会学術集会
「心肺運動負荷試験を用いて患者を含めた多職種カンファレンスにて禁煙指導実施した1例」
〇第32回埼玉県理学療法学会
「理学療法標準評価における『床へのリーチ』は心疾患患者の転倒リスクを評価できるか?」
《理学療法士養成校における実習の受け入れ実績》
埼玉医療福祉専門学校、北里大学、杏林大学
リハビリスタッフから一言
~リハビリ室に講師として指導にきている佐藤先生~
私は月に2回、所沢ハートセンターで心肺運動負荷試験(CPX)を担当しています。当院の心臓リハビリチームの特徴は、徹底した個別指導です。CPX結果を元に患者一人ひとりの状態に合わせた、最適なリハビリプログラムを作成し指導、リハビリ実施しています。今後も多くの心疾患患者さんに希望をもたらすことを心より願っております。

リハビリテーション科 講師 佐藤 真治
帝京大学 スポーツ医療学科健康スポーツ 主任教授
日本心臓リハビリテーション学会 評議員
日本体力医学会 評議委員
日本臨床運動療法学会 理事
Exercise is Medicine Japan 理事